防犯にはコミュニケーションが大きな味方になると言われています。そういうことが言われているとは知っていても、単なる標語程度にしか考えていない方もいるかもしれませんね。でもご近所とのコミュニケーションは、防犯面では現実的にとても役立つことがわかっています。

例えば1人暮らしの女性だとわかっていたら、それとなく気にかけてくれる方もいるでしょう。そんな方であれば留守中に何か変わったことがあれば教えてくれるでしょうし、それ以前に近所の目線があることは何よりの防犯になります。しかしどこに誰が住んでいるのかも分からない状況では、そんなことは不可能ですよね。例え挨拶程度でも顔見知りであることは、このように防犯上もとても意味があることなんですよ。

ただし気をつけたいのは、味方になってもらえる人とそうでない人との見分け方です。余り考えたくないことですが、顔見知りの犯行ということもあり得ますから、特に異性の場合、ご近所であれば誰とでも接近すればいいというものでもありません。またお互いの自宅を行き来するような親密な付き合いも、防犯上は特に必要ありません。信頼できそうな方に顔を覚えてもらう程度で十分です。

それには同じ女性や、家族で暮らしている方が適当でしょう。また同じ1人暮らしの女性同士ならば、防犯面での情報交換もできて最適ですよね。近所にこのような同輩をたくさん見つけておくと何かと助かることが多いでしょう。メールなどで遠くの人との連絡も気軽な時代ですが、何かあった時には近場の知り合いが頼りになります。これは防犯面だけでなく、災害時にも言えることですよね。

ところが最近は、ある程度の年配の方であっても、同じ集合住宅の住人同士ですら挨拶をしないことが多くなっています。これは別に仲良くしたくないという表明ではなく、ただ単にそのような習慣がないからなのでしょう。でも挨拶をされなかった側からすれば、決していい気持ちではありません。

こんな時勢だけに、若い方が挨拶をしてくれるとそれだけで嬉しく、何かしてあげたい気分にもなるものです。このようなご近所の方の親切心を引き出すのは、決して悪いことではありませんよ。防犯面だけでなく、お互い気分よくお付き合いできるためにも、信頼できそうな人には特に挨拶を心がけてくださいね。